みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

ひやおろしで味わう旨み 東北最古の小さな酒蔵がつむぐ「飛良泉」(秋田・にかほ)

食欲の秋にかかせない要素の一つが美味しいお酒、と言うと普段からどれだけ飲んでいるのかと思われそうですが、秋は日本酒好きがこぞって「ひやおろし」を求める季節。

今日ご紹介するのは、東北最古、そして日本でも3番目に古いという老舗中の老舗がつむぐ、旨みが深い日本酒です。

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飛良泉(ひらいずみ)「ひやおろし」(マル飛)。豪快なラベルがこの酒の腰の強さを彷彿とさせる。

日本酒は通常、貯蔵前に一度、そして貯蔵後出荷前にもう一度、計2回の火入れがされていますが、気温の下がってくる秋に出荷することで出荷前の火入れをしないものを「ひやおろし」といいます。

火入れには雑菌が増えないようにする目的がありますが、涼しい季節に冷えた状態で流通させることで二度目の火入れをしないで済むということで、冷えたまま卸すことから「ひやおろし」と言われます。

季節の名を取って「秋あがり」とも呼ばれ、生酒に近い味わいを楽しむことができます。

また、二度目の火入れには品質を安定させ長期保存を可能にする目的もありますが、それをしない分、秋から冬にかけてゆっくり熟成が進み、まろやかさが加わるという効果もあります。

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完全な透明よりも少し黄色味がかった飛良泉の「ひやおろし」。精米歩合60%の純米吟醸。

この時期はあちこちの酒蔵から「ひやおろし」が出荷され、酒屋さんに行ってもどれにしようか目移りするほど。

その中でも今回は、秋田県にかほ市室町時代から続く飛良泉本舗が醸す「飛良泉」(ひらいずみ)のひやおろしです。

www.hiraizumi.co.jp

飛良泉本舗は秋田県と山形県の境目付近にある鳥海山のふもとで1487年に創業し、代表銘柄の名前でもある「飛良泉」は、廻船問屋を営んでいた頃の屋号である「和泉屋」と地名の「平沢」から「ひらさわのいずみ屋の酒」と呼ばれたことに由来すると言われています。

標高2236メートルの鳥海山は、日本海から吹き付ける季節風によって大量の雪を蓄え、それらが伏流水となって酒造りに合った良質の水をこの地域にもたらす霊峰。

この水を使った飛良泉本舗の酒造りは昔からの手法にこだわり、現在も山廃仕込みを続けています。

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独立峰である鳥海山はまるで富士山のように美しく、秋田富士や出羽富士の異名で知られる。

「飛良泉」の特徴はどっしりとした旨みと酸味

酸味が強いだけでなくしっかり旨みもあるので、さほど気にならず料理に合わせて飲むことができます。

繰り返し飲んでも飽きの来ない、腰の強いお酒です。

しかもこの「マル飛」「ひやおろし」用に特別に酒質設計されていて、「ひやおろし」ならではのやわらかな香り丸みのある味わいが楽しめます。

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今回は同じく東北の秋の幸である「はらこ飯」と一緒に。いくらでも食べて飲める組み合わせ!「はらこ飯」についてはまた別の記事で。

ちなみに今回は飛良泉本舗のお酒の中でも特に歴史の長い「飛良泉」をご紹介しましたが、飛良泉本舗には現代の感覚を取り入れた新しい銘柄も次々と生まれています。

hiraizumi.online

そういった"新しい日本酒"もまた山廃仕込みで作られているということで、伝統への強い誇りも感じられる飛良泉本舗の日本酒。

上記のオンラインショップでも手に入れらるので、ぜひ味わってみてください!