北日本の日本海側で水揚げされる、ほっき貝。
漢字では北寄貝と書くこともあり、冷たい海で獲れる貝です。
正式な名前はウバガイで、ハマグリよりも一回り大きい貝殻の中には旨味と甘味がぎゅっと詰まった身が入っています。
旨味成分であるアラニンやグリシン、さらには疲労回復に役立つタウリンや、マグネシウム・カルシウムなどミネラルにも富んだ、奥深い味わいです。
東北では冬の終わりから春にかけて水揚げされるこのほっき貝は、関東以西に流通するときは湯通しした状態で出回ることが多く、加熱後は色が赤く変わるので、この状態なら見たことがあるという方が多いかもしれません。
もちろん湯通しされた状態も美味しいのですが、生で食べるとほっき貝ならではの甘味を存分に味わえます。
さらに宮城や福島では、生のほっき貝が手に入ることをうまく利用した郷土料理もあります。
ほっき貝を醤油ベースのたれで煮て、その煮汁で炊いたご飯にのっけるという、産地ならではの贅沢です。
私が以前住んでいた宮城県では、特に南部の亘理町(わたりちょう)や山元町(やまもとちょう)ではほっき飯を食べるエリアが多く、飲食店でも出しているところがあります。
このブログでも何度かご紹介している「わたり あら浜」の五季飯の一つ「ほっき飯」は、例年12月から4月に提供されます。
オンラインショップで頼むとクール便で配送してもらえるので、自宅で楽しむことも可能。
冷たい海にのみ住む、旨味たっぷりのほっき貝。
ぜひ現地で、そしておうちでも、産地ならではの贅沢を味わってください!