そろそろ東北の新米の話題を…と思っていたところへ、なんと!
今週のお題「ごはんのお供」になっているではありませんか(笑)
順番が逆な気もしますが、全国的に新米が出回るまでにはもう少し時間がかかりますし、せっかくなのでお米の前に「ごはんのお供」の話題を先にお届けします!
東北地方では冬の間ほとんど作物が穫れないため、昔から保存食のレパートリーが豊富。
そして、大抵の保存食はお醤油やお塩が強めに効いているので、ごはんのお供になるものが多いのです。
ということで何からご紹介しようか非常に悩ましいですが、ここはオーソドックスにお漬物から。
「ぐるたび」に東北のお漬物・人気ランキングを見つけたので、このランキングに掲載されたいたお漬物を私なりに解説していきます!
ひとくちにお漬物と言っても、皆さんの想像を超えたものがたくさん見つかるはずです。
まず、今日は奇数番目の5つをご紹介!
1位 いかにんじん(福島県)
イカ、にんじん、昆布の細切りを醤油やみりんなどで漬けたもの。
見た目が松前漬けに似ているのでよく間違われますが、松前漬けと違って数の子は通常入っていません。
が、松前漬けの元祖かも…という話もあったりなかったりします。
(松前漬けの先祖かもしれない食べ物って、わりと全国各地に点在していますが…)
福島市など中通り北部でよく食べられている郷土料理で、これからご紹介するほかの料理と同じように、家庭ごとに味付けが違います。
今では年間を通じてスーパーなどでよく見られますが、もともと冬の間の保存食として作っていた名残りから、年末年始の食卓によく登場します。
3位 おみ漬け(山形県)
高菜の一種である山形青菜(やまがたせいさい)と呼ばれる青菜を刻んで、大根やにんじんなど他の野菜と一緒に塩で漬けたもの。
かつて北廻り航路で山形へ紅花の買い付けにきた近江商人が伝えたとされ(山形の紅花についてはこちらの記事参照)、「近江漬け」がなまって「おみ漬け」になった、あるいは、「もみ漬け」が訛って「おみ漬け」になったとも言われています。
もともと山形には青菜漬(せいさいづけ)というお漬物もありますが、青菜漬では青菜の茎の部分を中心に使うため、葉がもったいないと思った近江商人が考案したお漬物…という説も。
青菜を細かく刻むのは、昔は残り物の野菜を全部刻んで入れて、食べ物を無駄なく利用していたことに由来しているとも言われ、古くからある料理らしく、様々な謂れが残っています。
青菜自体が高菜に近い野菜なので、おみ漬けは炒飯に入れても美味しいです!
5位 仙台長茄子漬け
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(手元に写真がなく、ネットで探しても見つからなかったので、楽天のページを表示する機能を利用させていただきます…!)
仙台長茄子は、藩政時代からこの地域で作られてきた細長い茄子。
長さ10~12cm程度の小ぶりな茄子です。
皮が柔らかくて張りがあるので、丸ごと漬けるのに最適。
味付けも薄めにする場合が多く、上品な味わいが特徴です。
「仙台」と付けずに単に「長茄子漬け」と呼ぶものも県内では出回っていて、それぞれ食感が微妙に違います。
7位 杏(あんず)の梅漬け
アンズなのに梅漬けってどういうこと!?
と思われそうですが、梅は、和歌山県など温暖な地域で特産であることからもわかるように寒さが苦手な植物。
寒冷な青森県では梅に近いバラ科の植物で比較的寒さに強いアンズを代わりに植えているところが多く、青森県南部地方の特産品の1つです。
そのアンズを、梅漬けのように漬け込んだものが、南部地方を中心にスーパーでもよく売られています。
代表的な商品の名前が「八助梅(はちすけうめ)」なので、青森県内では「梅漬け」と言うより「八助梅」と言った方が通じやすいくらいです。
9位 赤かぶ漬
赤かぶのお漬物は山形県内各地で見られますが、特に有名なのは庄内地方の温海(あつみ)と呼ばれるエリアで生産される伝統野菜・温海かぶを使ったものです。
江戸時代には徳川幕府に献上したという記録も残っている温海かぶ。
今も伝統的な焼畑農業で作られていて、肉質が緻密なのでお漬物にするとパリッとした食感になります。
庄内地方では冬の伝統行事に登場したり、年末年始の食卓によく並びます。
観光地の旅館に泊まると、朝食のおかずとしてさりげなく添えられていることが多く、地元の味を体感することができます。
いかがでしたか?
炊きたてのご飯を用意してもりもり食べたくなりますね!
明日の記事では偶数番目のお漬物をご紹介します。