山形県真室川町(まむろがわまち)から不定期にお取り寄せしている伝承野菜と季節の野菜。
一般にはあまり知られていないお野菜たちの魅力をマイペースにお伝えしていますが、今回は「雪割菜」と「うるい」です!
※過去の伝承野菜記事はこちらから
元祖エディブルフラワー!「もってのほか」美味しい山形の食用菊
雪割菜は、山形県の在来種の野菜。
真室川町のある地区で細々と栽培されていたものが、現在は他の地区にも共有され、伝統を途切れさせぬよう大事に栽培されています。
雪が解けて最初に生えると言われますが、真室川で雪が解けるのはまだまだ先なので、今の時期に出荷されるのはハウス栽培のものです(連休明けから路地ものが手に入るそうです)。
春先の野菜にして珍しく、甘みが強いのが特徴。
見た目は菜の花に近いですが、甘さはほうれん草と同じか、さらに甘いくらいです。
江戸東京野菜の「のらぼう菜」に似ていると言われることもあります。
この甘みを最大限生かすには、おひたしでいただくの一番!
今回、雪割菜をたくさん送っていただいたので、他にもナムルなど試してみましたが、やっぱりおひたしが一番美味でした。
お醤油か白だしを少しかけるだけで(むしろ、かけなくても十分かも)、いくらでも食べられてしまうくらい、美味しかったです。
そして今回もう一つご紹介するのは、うるい。
「山カンピョウ」や「ギンボ」と呼ばれることもありますが、正式には「オオバギボウシ」と言います。
春に生える山菜の一つで、こちらも今の時期はまだハウス栽培ものが中心です。
自然界では北海道から本州の広い範囲で、湿気の多い山地や草原を中心に分布する山菜で、古くから日本人に親しまれてきた食材です。
通常はもっと緑色の強いものが多いですが、こちらは「雪うるい」と言って、日光を当てないようにして育てられたもの。
アスパラガスで言うところの「ホワイトアスパラ」みたいな感じです。
うるいの特徴は、ほんのり粘り気のある食感と、かすかな苦みと甘み。
それ自体の味はあまり濃くないので、味噌のような主張の強い調味料との相性が良いです。
鷹の爪などの香辛料や、梅肉などの酸味や香りの強い食材とも合います。
ちなみに色々調べてみたら、和食だけでなく洋の料理にも合うらしく、伝統的な山菜ながら活躍の幅が広いのも特徴です。
見て、食べて、調べて楽しい東北の食材たち。
そのほかのお野菜についてもまた随時記事にしていきますので、どうぞお楽しみに!