東北でも今まさに稲刈りが進んでいるということで、昨日の記事では冷害を乗り越えた米「ひとめぼれ」について書きました。
今日ご紹介したいのは、聞いたことないかもしれないけどこれから食べる機会が増えるはずの米、ささ結(ささむすび)です。
ササニシキなら聞いたことあるけど、ささ結って!?
という方も多いかもしれません。
名前が似ているのは偶然ではなく、ささ結の親がササニシキだからです。
かつてササニシキは「西の横綱コシヒカリ、東の横綱ササニシキ」と並び称され、コシヒカリに次ぐ全国2位の作付面積を誇っていました。
しかし、1993年の大冷害で壊滅的な被害を受け、冷害に強いひとめぼれへの切り替えが進んだことで、急激に姿を消していきます。
ただ、ササニシキはその美味しさに人気があっただけでなく、お寿司のシャリに適しているということで重宝されていたため、再び作付が増えることを切望していたファンがいたのも事実です。
ササニシキは粘り気が少なく酢が入りやすいので、シャリとして冷めた状態でも口当たりがよく、さらに甘みが強すぎずあっさりしているのでネタの味を邪魔しません。
寿司職人さんによると、握ったときにほどよく空気が入るので、口に入れるとスッとほどけていくお寿司に仕上がるそう。
聞いているだけで美味しそうです!
根強いファンに応えるため、ササニシキの味を受け継ぎつつ寒さにも強い米を作ろうと、開発が始まります。
舞台は宮城県大崎市の古川農業試験場。
ササニシキを生んだ試験場であり、昨日ご紹介したひとめぼれ誕生の地でもあります。
シャリに適したササニシキと寒さに強いひとめぼれの組み合わせで交配を繰り返し、ついに美味しくて強いささ結(当時の呼び名は東北194号)が完成。
そして、ササニシキ誕生から約半世紀を経た2015年、一般の農家での作付が始まりました。
試験栽培の段階で使ってもらっていた地元のお寿司屋さんにも好評だったというささ結。
これから出回る量が増える中で、皆さんの近所のお寿司屋さんでも出会う日が来ると思います。
宮城の土地と知恵が生んだサラブレッド・ささ結、どうぞご贔屓に!