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400年愛される絢爛豪華な七夕 —— 仙台七夕まつり① 美しすぎる笹飾りたち

生きた伝統であり続ける東北の夏祭りをご紹介するシリーズ、今日からは仙台七夕まつりを特集します。

(昨日までの記事はこちら→青森ねぶた祭秋田竿燈まつり盛岡さんさ踊り山形花笠まつり

 

仙台七夕まつりと言えば、絢爛豪華な笹飾り。 

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繊細かつ豪華な笹飾り。主に地元の個人商店や企業が数か月かけて製作する。

毎年8月6日から8日、仙台市中心部の複数の商店街を埋め尽くすかのように、ずらりと笹飾りが並びます。

1つや2つでも十分豪華なのに、それが約3000本も並ぶ姿には、ただただ圧倒されます。 

2020年は中止となってしまいましたが、約400年の歴史を持つ仙台の七夕はかつて、何年も開催できなかった困難な時代を乗り越えていますから、きっと今回もまた鮮やかに復活するはず。

そんな仙台七夕まつりの魅力をもっともっと多くの人に知ってもらいたくて、旧暦の7月7日である今日から3回に分けて、連載します。

1.とにかく豪華!美しすぎる笹飾りたち(今日の記事)

2.仙台七夕の長い長い歴史

3."紙"に込める思い

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通りの反対側から見てもその迫力に圧倒される。仙台市民だったころ、毎年この時期が本当に楽しみだった。

 

                    1.とにかく豪華!美しすぎる笹飾りたち

仙台七夕まつりの笹飾りは、くす玉吹き流しで構成され、基本的には5本1セットで作られます。

10メートルを超える巨大な竹の枝を払って、土台にしっかり縛り付け、その先に5本の笹飾りを吊るすと重みで竹がしなり、笹飾りは通りに降りかかるように固定されます。

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祭りの前日になると、まず巨大な竹が各商店街に出現する。

笹飾りはほぼすべて紙でできているとはいえ、5メートルほどあるので結構重たいはずですが、それを祭りの間支え続ける竹の生命力は陰の立役者です。

 

そして、笹飾り全体の豪華さもさることながら、使われている和紙豪華

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細部まで美しい和紙。数え切れないほどの色とデザインが並び、贅沢な色彩世界が広がる。

ふんだんに使われた美しい和紙が、繊細かつ豪華という仙台らしい七夕を演出します。

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近くで見ても遠くで見ても美しい笹飾り。毎年8月6日の午後には各商店街で飾り付けの審査が行われ、金・銀・銅賞がそれぞれ授与される。

1本の笹飾りを作るための費用は数十万から数百万もかかると言われます。

業者に製作を委託する商店もありますが、自分たちで数か月ほどかけて手作りする場合が多いようです。

どの商店も企業も毎年様々なデザインを考えていて、その年にどんな笹飾りを出すのか、祭り当日までは企業秘密

競い合うように年々美しさに磨きをかけていく笹飾りは、何度見ても飽きません。

 

ちなみに、個人的には美しすぎる3000本の笹飾りを見ているだけで十分満足ですが、「え、見るだけ…!?」と思った方も、退屈する心配はありません

仙台七夕まつり期間中は、市内中心部の公園(勾当台公園)のおまつり広場で、宮城の食を堪能するフードコーナーや笹飾りの製作体験、ステージでのショーがありますし、仙台城跡(青葉城跡)や仙台藩祖・伊達政宗の霊廟である瑞鳳殿(ずいほうでん)では特別なライトアップ伊達武将隊の演舞を含めた様々なイベントが毎年企画されます。

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仙台市内にある瑞鳳殿。独眼竜が眠る地も七夕の期間中は七夕色に染まる。

今年の夏はなかなか遠方へ旅行できなかったけど来年こそは…!という方はぜひ候補地に入れてください!!

東北各地の夏祭りは1~2日ずつ日程がずれているので、複数の祭りをハシゴすることも可能です。

 

さて、次回は2.仙台七夕の長い長い歴史をお届けします!